加工調整
直径70〜80mmサイズの丸いレンズを、フレームの形にぴったり合うようにカットして、フレームに組み合わせることを加工といいます。レンズをフレームの形状通りに加工しても、フレームに対してレンズのサイズが大きすぎたり、小さすぎたり、レンズをフレームに固定させるためのヤゲン(フレームに掘られているV溝と同じ角度でレンズに山を作ること)が正確に加工されていなかったりすると、レンズが外れやすかったり、フレームとレンズに負荷がかかりすぎて、壊れてしまう原因になってしまいます。そうしたことが起こらないように、フレームとレンズの材質、種類を考慮して加工を行います。最近はレンズを加工する機械の全自動化が進んでいますが、長期間快適にご使用いただけるメガネを作るには、まだまだ熟練者の確かな技術と豊富な知識が不可欠です。
加工の手順
1.検眼データの確認
検眼、フィッティング、設計で決定したデータ通りに、レンズをカットするため、決定したレンズの度数、乱視の度数、左右の目と目の距離、フレームに対する目の高さ、使用するフレームとレンズの種類、材質等を加工する前に確認します。加工を行う前に確認することによって、用途やライフスタイルに合った、すべての条件を満足させたメガネを調整することができます。
2.フレーム・レンズの素材の確認
フレームには、メタルフレーム、プラスチックフレーム、リムレスフレーム、ハーフリムフレーム等、いろいろな種類のフレームがあります。レンズの種類は、大きく分けてガラスレンズとプラスチックレンズの2種類です。フレームとレンズの組み合わせによって、レンズのサイズやヤゲン位置、ヤゲンカーブをどのようにすれば、フレームの美観を損なわず、メガネをキレイに仕上げることができるのか、見る機能等を最大限に発揮させられるか、といったことを考慮しながらレンズをカットします。
フレーム・レンズのタイプの確認
最近はフレームの上下幅が狭いもの、フレームのカーブが深くなっているものなど多様化しています。レンズの設計も単焦点レンズ、累進屈折力レンズ、二重焦点レンズなど、それぞれの使用目的に応じたレンズが開発されています。こういったフレーム、レンズの種類、材質、タイプ等を考慮して加工することで、光学的(ものを見る機能)、力学的(重量のバランスが良くかけやすい)、美的(メガネをかけることで見栄えがいい)条件を満足させることができますので、知識や経験の豊富な専門家に相談されることをおすすめします。