フィッティングと設計
検眼に基づいてフレームとレンズを選んだら、次は顔の正しい位置にかかるようにテンプルや鼻パッド、レンズ中心などを調整し、かける人にあったメガネの設計をします。これをフィッティングといいます。 どんなに検眼が良くても、レンズの中心と瞳の中心が合っていないと、見えにくくなったり、目が疲れたりします。またメガネと顔が接触している鼻パッド(鼻あて)やテンプル(つる)の部分に圧迫感や痛みがないように顔にぴったり合わせることで長時間かけていても疲れないメガネに調整します。
メガネの位置設定
メガネを正しい位置に調整するためには、鼻パッドを鼻の角度に合わせ、テンプルの幅を鼻骨の中心から左右それぞれ顔幅に合わせます。またテンプル先(耳にかかる部分)の曲げる角度、頭部に添わせる角度を頭部と耳にぴったり合わせられるように調整します。その際、メガネの位置は、美しく見えるとともに、安定感も得られる位置に調整します。
目とレンズの距離の調整
視力検査は、角膜頂点(黒目)からレンズ裏面までの距離を12mmに設定していますので、12mmより広くなったり狭くなったりすると、レンズが本来持っている度数より強くなったり弱くなったりします。その他にもメガネが離れすぎると、視野が狭くなったり、鼻にかかる重量の負担が大きくなります。そこで左右パッドを調整し、12mmに近づけます。
適切なレンズの傾斜角の調整
レンズの傾斜角は、一般的によく使用する視線位置と直行させるようにします。この視線は一般に身長が170cmの人の場合、通常10〜20m先の床に向かいます。この位置が目の筋肉のもっともバランスのとれた楽な視線位置で個人差はあまりありません。この視線は水平視線より、5〜10°下方に傾きます。この視線位置とレンズ主平面を直行させることにより、メガネを快適に使用することができます。
レンズ中心の設計
左右の目と目の距離は個人差があります。またメガネの使用目的や生活習慣によって、よく使用するレンズの位置が違ってきます。そういうことを考慮して、メガネをかけたときの瞳の位置を測定し、レンズの中心と瞳の中心が合うように設計します。